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8.育成の優先項目

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育成の優先項目

犬の飼育・育成において最初に学ぶべきことは「犬に関する基礎知識」です。これは飼育の対象が犬以外の哺乳類であれ、または魚類、鳥類、爬虫類、両生類、昆虫類であれ同様なのですが、その生き物の習性や生態について学ぶことが第一となります。

ところが犬の育成に関して世間に目を向けると、それらの基礎を飛ばして「しつけ・訓練」に傾倒している風潮が目立ちます。それは情報発信や育成の現場に携わるプロも含めての話です。

もちろん単なる飼育ではなく「人間の生活に密着した犬との暮らしを行っていく上では、相応のノウハウは必要になります。しかし、その取っ掛かりは「しつけ・訓練」ではありません。

これは算数に例えると、1〜10の数字の意味と数え方を身に付けないうちに、掛算・割り算の勉強をしているようなものです。それ故に課題に挑んでみても、その方法が正しいのか?間違っているのか?という判断が飼い主自身で出来ない状況に陥る要因となります。

以下のピラミッドは、当方が考える犬育成の優先項目です。
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 1.犬の基礎知識として習性・生態を知る。(犬を迎える準備)
 2.犬の習性・生態に基づく住環境を用意する。(犬を迎える準備と維持)
 3.犬の習性・生態に基づくニーズを満たす。(犬の心身の健康維持)
 4.生活圏への社会化(環境馴致・ストレス軽減によって暮らしやすくする)
 5.生活におけるしつけ(ルール設定による安全管理と平和維持)
 6.上記の過程でも不足の部分を訓練で補う。(生活補助)
 7.飼い主側の要求およびお楽しみなど。(+α

犬との生活における人間側の不都合となる問題を「しつけ・訓練」に依存して解消しようとするのが世間の流れです。しかし、それで解消されるのは上辺の状況のみであり、症状に対する働き掛けではあるものの、根本的な原因への働き掛けは無いものがほとんどであると言えます。

実際に遭遇する生活問題の大部分は、習性・生態に基づいて、住環境とニーズを満たしてあげることで予防(問題改善)が可能ですが、それらを無視して+αの要求・人側都合のしつけ・訓練・人側都合の乱雑な社会化などに比重を置いて試みると、犬の行動問題や飼い主との対立関係は生じやすくなるものです。

しつけ・訓練の必要レベルは個体の置かれた環境差がありますが、何事も物事を図るうえでは基本順序が重要となります。


 
問題の因果関係

犬の心身の健康は生活全般が満たされることで成り立ちます。そのどれかが欠けると、欠けた部分のシワ寄せが他の場面に現れることも多いです。

例えば、家庭内Bの場面で問題が生じた時、それはBそのものに原因があるとは限りません。そこに隣接するAやCの環境やニーズが満たされないことで問題が生じている場合もあります。または、外社会における環境とニーズが満たされていないことで家庭内にシワ寄せが生じることもあります。

 
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いわゆる訓練による問題改善は、風邪に例えると薬で症状を抑えているに過ぎません。ここで大事なのは、何故、風邪を引いたのか?ということです。もしも、過労・寝不足・栄養欠乏などに原因があるならば、薬で症状を抑えただけでは何の解決にもなりません。シャツのボタンも1つを掛け違えれば、他のボタンもズレたりあぶれたりするのと同じことなのです。
 
 
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