光ファイバー

2.犬の習性とニーズ

spic_461_2.gif
 
犬の習性 〜支配性??〜

犬との暮らしを語るにあたって、犬の習性として一般に挙げられるのは、犬は群れで生きる動物であるということです。 そして犬の群れ社会は、先祖とされる狼の群れ社会に沿ったものだと言われています。 では狼の群れ社会とは何か? これも一般的に言われるのが、リーダーとなるアルファ狼がいて、トップダウンの縦社会であると言われています。

そして、犬社会も狼同様にトップダウンの縦社会であり、犬は支配性を有する生き物で、上位にのし上ろうとするべく飼い主をも支配するとも言われています。 これが俗に言う「権勢症候群:アルファシンドローム」と呼ばれるものす。 だからこそ、飼い主は強力なリーダーシップを発揮して、犬の上に立つべく主従関係(上下関係)を築きましょうという訳ですが、このような話が、訓練士、ドッグトレーナー、また獣医師に至るまで、様々な専門家の口から出てきます。 しかし、これらは何の根拠もない馬鹿げた定説であり、もの凄く古い考えに基づいたものであります。 私の知る限りでは20年前(1990年代)でも犬のリーダー論に異を唱える者はいましたが、近年では犬のリーダー論が誤りの定説であることに気付いている専門家も増えてきております。が、それでも巷では多勢に無勢な状況のようで、定説の広まりというのは恐ろしいものである。

実際、動物学者たちの研究からも狼はトップダウンの縦社会ではなく、家族をベースに群れを形成していることが解っています。 但し、厳しい野生を生き抜くためにファミリーとしての掟が存在しているのは確かなようです。 でもそれは、世間で認知されている縦社会の構図とは似て非なるものなのです。 では、人間に身近な犬はどうか? その答えは、世間で言うような縦社会など存在しません。 そこにあるのは群れる犬同士のコミュティであり、決して組織だったものではありません。 また、個体間の優劣やアルファ気質の犬は存在しますが、かと言って縦社会ではないのです。 そう断言できる根拠は、多くの犬たちのグループをこの目で見てきた中で、そのような盾社会を持つ群れを見たことがないからです。

そして、犬との暮らしに必要なのは主従関係でもなければ上下関係でもなく、信頼関係に他ならないのです。 信頼関係とは、犬にとって飼い主が安心できる存在であるのか、頼れる存在であるのかという単純なもので形成されます。 ですから犬を前にして主従関係などと意気込んで力を鼓舞する必要は全くありません。

次に、犬が「吠える、唸る、咬む」という行為について。 これは犬の特性であり、この特性を強化するべく人間が選択育種をしてきたのが人と犬との暮らしの歴史です。 番犬として唸ったり吠えたり、狩猟犬として獲物を追い駆けて咬み付いたり、撃ち落とした獲物を咥えて回収したり、羊や牛を吠えたてたり噛んだりして追い込むなど、特性を活かした仕事をしてきたのが犬なのです。 また、犬が人に対して吠えたり唸ったり咬んだりするのには必ず理由があり、決して支配的な振る舞いではありません。 ここで大事なのは、犬の習性を理解して歩み寄ることです。 そうすることで犬との信頼関係は構築されていくのです。
 
img_20130423-014837.jpg
 
 
 
 犬のニーズ 〜要求・必要欲〜

犬には日々の暮らしにおいて次のニーズ(不可欠な要求・必要欲)があります。
  1. 食事・給水
  2. 排泄
  3. 散歩(匂い嗅ぎ)
  4. 遊び・運動
  5. 睡眠

ニーズとは、生きる動物として精神および身体の健康維持において日々必要とされるものであり、人間でも同様のニーズがあります。 また、これらニーズのレベルは犬という生き物の習性・生態、そして個体差などに大きく左右されるところがあり、人間側の価値観だけで取り計らっても満たせるものではありません。

今の時代、犬と共に暮らす人々が増える一方で、犬に関する様々な悩みを抱えている人々も増えております。 その内容というのは犬の行動に関するもので、巷では「犬の問題行動」と言われおります。 具体的には、
犬が咬む、吠える、唸る、鳴く、跳び付く、物を破壊する、マーキングをする、リードを引っ張る、などなど、挙げるとキリがありません。

ところが、これらの問題の数々は
犬の習性・生態に基づくニーズが満たされていないことで生じる行動であり、犬としてはごく自然な反応の数々なのです。 つまり、俗に言う「犬の問題行動」は犬の行動そのものに問題があるのではなく、人間と犬の文化および価値観の相違に問題の原因があります。 このような状況を打開出来ずに困っているのは、実は人間だけではなく犬も同様であると言えます。

但し、これら問題の数々も、人側が
犬の習性・生態を知り、犬にとって適切な環境を用意し、そして犬の心に理解を示す対応を取ることで解決に至るケースがほとんどなのです。 


 
img_20130422-140654.jpg


img_20130423-032212.jpg


img_20130423-024612.jpg


img_20130423-031023.jpg


spic_1559_1.jpgspic_1561_1.jpg

spic_461_2.gif